慢性上咽頭炎に対するEAT(イート:上咽頭擦過療法:Bスポット治療)について

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上咽頭処置について(Bスポット治療)

☆上咽頭処置の特徴

鼻の奥の突き当りの部分を「上咽頭」といいます。上咽頭には細菌やウイルスが付きやすく、炎症をおこしやすい場所です。
また扁桃の一環にあり免疫機能をつかさどるところです。上咽頭は鼻咽腔(びいんくう)とも呼ばれるため、その頭文字をとって「Bスポット」ともいいます。
☆上咽頭処置はこのような患者さんに対してしております。
風邪をひいたときに「鼻の奥が焼けるように痛い」、「耳がつまる」など急性上咽頭炎を疑う症状のある方。
痛みは改善したが「鼻の奥に鼻汁がある感じ」、「鼻の奥に痰がつまる感じ」「流れる感じ」などの後鼻漏、「鼻の奥の乾燥感」、「頭が重い感じ」、「のどの違和感」が続くなど慢性上咽頭炎を疑う症状がある方。
☆上咽頭の炎症に対する局所治療が上咽頭処置です。
急性上咽頭炎に対しては、内服治療の補助療法として行います。処置の際の出血や痛みはかなり強い場合があり、長時間持続することもありますが、その後症状は急速に改善します。
慢性上咽頭炎に対しては、内服治療よりも、上咽頭処置が治療の中心となります。週1-2回、数か月行います。

☆治療の流れ

問診の結果、上咽頭炎の疑いがある方は、必要あればファイバースコープで観察します。
上咽頭の炎症を認めたり、疑わしい場合、上咽頭処置を希望される患者さんに対して処置を行います。
大きめの曲がった綿棒のような器具(咽頭捲綿子)を口から上咽頭に挿入し、薬液(当院ではマンデル氏液や塩化亜鉛駅)を塗布します。数秒で終わる処置です。

※処置後、痛みや出血が長時間続く場合があります。炎症が強いほど長く続く傾向があります。また、鼻水や痰が数時間続くことがあります。
※ 治療をしている期間中一時的に、症状が強くなったり、頭が重く感じたり、顔が腫れぼったく感じることがあります。
※すべての症状が上咽頭炎からくるものではありませんが、「風邪をひきにくくなった」「症状が軽くなってきた」とある程度評価はできる処置であると思っています。

こちらの記事も参考にしてください。

上咽頭炎に対する塩化亜鉛治療について(Bスポット治療)2015/11/12

上咽頭炎について(鼻咽腔炎について)2015/07/23

 

☆最近の慢性上咽頭炎に対する知見について 2017/11/09

最近は慢性上咽頭炎についていろいろと話題になっています。

塩化亜鉛の擦過(こする)治療(Bスポット治療。2017年9月第5回病巣疾患研究会学術集会においてEAT(Epipharyngeal Abration Therapy:上咽頭 擦過 治療)と呼称提唱)、病的な粘膜組織をこすり取る治療です。病巣疾患研究会での記載はこちら

慢性上咽頭炎はこの擦過によって著しい出血と疼痛を自覚する疾患とも定義されています。

このBスポット療法(EAT)によって、冒頭に記載された様々な症状が速やかに改善する患者さんが少なくありません。

最近は、歌手やアナウンサーというような「声を使う職業に従事している方」が、喉頭・声帯や鼻に明らかな異常を認めないのにもかかわらず「声の響きが違う」、「鼻声の様な感じがする」といった症状を訴えることがあります。この中には慢性上咽頭炎による共鳴障害が原因もあるといわれています。このようにBスポット療法(EAT)は、音声障害に対する治療のひとつとしても再評価されてきています。

 

くりかえしますが、すべての症例に通じることではありません。Bスポット療法の効果には個人差があります。あくまでも診察および診断の上、治療の選択肢の一つととらえています。ご相談ください。